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更新日 : 2010年08月27日(金) 13時26分44秒

全日本柔術大会レポート

 

 

 

2010年全日本選手権大会

 

○大会レポート○

 

 

 

 

8月1日(日)、埼玉県立武道館において、JJFJ主催による2010年度の『全日本柔術選手権大会』(ALL JAPAN JIU-JITSU CHAMPIONSHIP)が盛大に開催された。この大会は日本の柔術アカデミーやチームが競い、優勝団体を決める大会として位置づけられている。イースト・ジャパン選手権大会(5月30日開催)で優勝したチームの優勝選手全員、またウェスト・ジャパン選手権大会(7月11日開催)で優勝した選手全員の参加費が免除され、これらの選手を含む450人もの参加選手が集結した。

 

 

この参加人数の内、50人が子供の部の参加者で、各地区大会であり余る元気を発散していた子供たちが、今大会でものびのびと、そして大人顔負けの試合を随所で披露した。子供の試合で、もはや恒例となったレフェリーを2名付けるシステムは今回も採用されたが、各地区大会で試合を積み重ねたこともあり、スムーズかつ安全に試合が執り行なわれた。

 

 

そして子供の部の団体優勝は、ウェスト・ジャパン大会に続き、今回もカルロス・トヨタBJJが獲得。再び10人の子供たちを参加させたトヨタ代表は、「本音を言えば、もっと多くの生徒を参加させたかったです」と語り、条件が整えば、さらに多くの生徒たちを参加させることに意欲的だった。トヨタ代表のそんな姿勢が、子供の部・団体優勝という成果に結びついたのだろう。

 

 

一方、大人の部でも白帯から黒帯まで見応えある試合が続いた。紫帯プルーマ級ではAXIS柔術の鶴巻陽司選手が、準決勝で粘り強く攻めた末の腕十字、決勝では仰向けになった体勢からギを使ったチョーク(通称ねずみ取り)を極めて優勝。鶴巻選手はウェスト・ジャパン大会にも出場したが、優勝には届かない結果に終わっていた。しかし今大会では文句なしの優勝を遂げ、名誉挽回を果たした。その他の紫帯でも、西林公知選手がガロ級で優勝、松本選手がペナ級優勝を果たし、AXIS柔術のチーム優勝に大いに貢献した。

 

 

そして、もう一人、紫帯に注目すべき選手が現れたことを記しておきたい。レーヴィ級とアブソルート級の2階級制覇を成し遂げたボンサイ柔術のクレベル・コイケ選手だ。アブソルート級決勝戦では、体重を有効に使って勝ち上がってきた105㎏の鬼木貴典選手と対戦。プレッシャーを掛ける鬼木選手をリバーサルし、バックを奪うと、サイドに回ってチョーク(片羽絞め)を極め、見事な優勝を見せた。コイケ選手はウェスト・ジャパン大会でもアブソルート級決勝に進出。その相手が同じアカデミーのため、優勝を同門の選手に譲ったが、実質的には同時優勝。つまり2大会連続で2階級制覇の快挙を果たしたことになる。常に動いてポジションを取り、ポイントを重ね、一本を狙うコイケ選手の試合は、今後も見逃さないほうが良いだろう。

 

 

茶帯では、コイケ選手と同じくボンサイ柔術のホベルト・ソウザ選手がレーヴィ級で優勝。2試合連続で腕十字による一本勝ちと圧倒的な強さを見せつけた。これまでもホベルト選手は、ワールドプロフェッショナル柔術アジア予選優勝(2009、2010年)、同世界選手権ベスト8(2010年)、ヒクソン・グレイシー杯国際柔術大会優勝(2008、2009年)と多くの実績を積み、10月10日に開催されるプロ大会にも出場が決まっており、未来のスター選手候補といえよう。また、オガワ・ヘキナンのレアンドロ・クッサノ選手がウェスト・ジャパン大会に続き、今大会でもアブソルート級で優勝し、存在感を示している。

 

 

マスター黒帯アブソルート級には、AXIS柔術の日本を代表する重量級柔術家、クリスチアーノ・カミニシ選手が久々に日本の柔術大会に出場。一試合一試合、落ち着いた試合運びで危なげなく優勝した。大会前、8ヵ月ほどブラジルに滞在していたカミニシ選手は、その間も柔術のトレーニングは欠かさなかったという。大会後は渡米し、アメリカン・トップチームに2週間ほど出稽古に行き、日本に帰国後は自身が保持するMMA王座の防衛戦を行う予定とのことだ。

 

 

カミニシ選手に続く、今や日本を代表するほどに成長した柔術家といえば、マルキーニョスことマルコス・ソウザ選手が筆頭に挙げられよう。黒帯メイオペサード級に出場するや、短時間で一本勝ちを収め優勝したが、アブソルート級では試練が待っていた。準決勝は120㎏の選手、決勝は160㎏の選手、合計で約300㎏を相手に闘うことになったのだ。まずは120㎏のカルロス・トヨタBJJのヴァンダーソン・アマカワ選手と対戦したマルコス選手。両者はウェスト・ジャパン大会でも対戦しており、今やJJFJ大会の名物対決ともいえる。アマカワ選手は、バックに付かれるタートルポジションが多く、一見不利なようだが、寸でのところで足を入れさせず、なかなかポイントを許さない。しかし、相手の動きが分かるようになったマルコス選手も粘り強く攻め、襟を掴んで十字絞めを狙うと思わせながら、腕十字に切り替えて一本勝ち。一筋縄ではいかない相手を見事に攻略した。

 

 

続く決勝は、ワールドプロフェッショナル柔術アジア代表でもあるチーム・レグナムの160㎏の巨漢、カリム・バイロン選手が待ち受けていた。体格差をものともせず、正面からタックルで攻めるマルコス選手。ところがバイロン選手に上から圧力をかけられ、潰されまいとディフェンスした矢先、右足首を負傷するアクシデントに見舞われる。ドクターチェック後、再開となったが、試合時間はまだ8分残っている状況。それでも右足をかばいながら果敢に攻めるマルコス選手。再び潰されそうになったが、下からアームロックを狙いつつ上のポジションを取ることに成功。サイドポジションからラペラチョークでタップを奪い、起死回生の勝利で優勝をもぎ取った。

 

 

激闘を終えたマルコス選手は、「300㎏が相手であろうと、つまらない試合をするつもりはなかったです」とコメント。つまり、動きを止めずに極めにいく試合を目指したということだ。そして全試合を「極めて勝ったことに価値があると思います」と強調した。アクシデントにも屈しなかった要因は、ワールドプロフェッショナル柔術など世界規模の大会に出場し続ける中で、「自信が増しているからでしょう」と述べた。そして今後も「世界中の選手を相手に闘っていきたいです」と頼もしい言葉を残してくれた。

 

なお、大人の部・団体優勝はAXIS柔術、準優勝はボンサイ柔術、3位がインファイト・ジャパン、4位がカルロス・トヨタBJJという結果となった。次回のJJFJが主催する大会は、11月20日(土)、神奈川県川崎市「とどろきアリーナ」で行われる『ヒクソン・グレイシー杯国際柔術大会』となっている。


photos by AKIRA HONDA and RYOJI NIWA

 

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